VMDを学ぶ ストアクリニックアソシエイツ

























































































































































































































































VMDとは



■■  VMDとは品揃え情報を伝えること  ■■

VMDとはヴィジュアル・マーチャンダイジングの略で、品揃えをお客様に伝えることです。
売り場(お店)の前を通るお客様に品揃えを伝えて立ち寄ってもらうため、
そして店内のお客様にできるだけ多くの商品を目にしてもらうために行う
様々なことをVMDといいます。

小売店の仕事の流れをみると、まず品揃えの中身を決め、次に、その品揃えをお客様に伝えます。
しかし、お客様はその並べた商品すべてを順番に見てくれるわけではなく、品揃えの
100%を目に入れてもらうことは無理です。
そこで、品揃えの一部でも良いから目に入れてもらい、認識してもらおうと考えます。
伝えたいことは欲張らずにテーマを絞り、商品とPOPで伝えます。


品揃えを伝えるために重要なこととして、以下の5項目を挙げます。

1.テーマを決める

2.テーマが伝わる売り場を作る

3.ディスプレーの法則を守る

4.分かりやすく見やすくする

5.イメージを良くする




上記5項目の解説の前に、専門用語を説明します。

売り場は「飾って見せる所」と「比較検討して商品を選ぶ所」に分けられますが、
前者はディスプレーで、専門用語ではVP(Visual Presentationの略)とか
PP(Point of Presentationの略)と言われます。
後者はIP(Item Presentationの略)と呼ばれています。

VPもPPも同じディスプレーですが、
VPは比較的大きなグループの代表ディスプレー(フロアの代表、店の代表)で、
それ以外のディスプレーをPPと言っています。

これらの総称をVMD((Visual Merchandisingの略)、
或いはMDP(Merchandise Presentationの略)と言います。

このVP、PP、IPの解釈は世界共通ではありません。
あるアメリカ人が日本にVMDの概念を導入する際に作った造語です。

日本ではこれらの解釈が広まっているので、知っておいた方が良いと思いますが、
「これはVPだろうか、それともPPと言うべきだろうか」などと細かなことにこだわる
必要はありません。VPもPPも同じディスプレーで、商品選定も構成も同じ法則に
沿って作ります。




1.テーマを決める

何を売りたいかが明確で、それが伝わる売り場になっているか、それは売り上げアップに
とても重要なことです。

まず売りたい商品(主役の商品)とテーマを明確に決めます。伝えたいことは沢山ある
はずですが、伝えるためにはテーマを絞ります。
人間が目を向けるのは一瞬です。大型店で1ヵ所に目を向ける時間の平均は0.4秒
というデータがあります。

テーマの切り口は様々あり、トレンド、アイテム、オケージョン、色、柄、素材、デザイン、
機能、価格、コーディネート、ブランド、等です。
例えば、切り口を「アイテム」にして、テーマを「ジャケット」とするなどです。

テーマを絞ると発信する情報は少なくなりますが、瞬時に強く受信されるようになります。
テーマを絞り、発信する情報を少なくすることで、結果的に多くの情報が伝わります。




2.テーマが伝わる売り場を作る

テーマは商品とPOPで伝えます。

商品を使って伝える方法は2つあります。
1.ディスプレーに飾って視認性を高める。
2.該当商品を前面に集めて、固まりで存在感を高める。
これらを同時に行うこともあります。




3.ディスプレーの法則を守る

テーマを伝えるのに有効なのがディスプレーで、ディスプレーには
商品選定の法則と構成の法則があります。

ディスプレーに使用する商品はテーマに該当し、色やアイテムに統一性があり、
在庫が豊富で低価格、そして新鮮な商品を選ぶようにします。

選定した商品を使って、
視認してもらう構成(タイト、クロスコーディネーション)、
安心感を与える構成(トライアングル、シンメトリー)、
印象づける構成(リピート)
にします。


ディスプレーを売り上げに結びつけるために、
ディスプレーに興味を持ったお客様が同じ商品をすぐ手に取ることができるよう、
近くのIPに同じ商品を陳列します。
それから、ディスプレーの視認性を高めるために、IPとは明確に分けます。




4.分かりやすく見やすくする

1.展開分類が顧客本位で分かりやすい

お客様が購入を検討する時にブランドで選ぶのか、デザインなのか、関心を見極めます。
売り場の分類はお客様の関心に沿って決めます。
分類基準はエイジ、テイスト、グレード、オケージョン、アイテム、ブランド、色、柄、素材、デザイン、機能等があります。

2.商品量が適正で見やすい

お客様がお店に抱く第1印象を良くするためにも、購入を検討される時に見る意欲を
喚起するためにも、空間を確保することは大切です。
ディスプレーとディスプレーの間にも、商品と商品の間にも空間は必要です。
空間のことを専門用語で「ネガティブスペース」と言っています。




5.イメージを良くする

ショップ全体が隅々まで清掃されていますか?
お客様から見える所にダンボールや箱等余計なものが放置されていないでしょうか。
また、カウンター回りに余計なものがありませんか。
お客様が目にしたいものは商品とPOPだけで、それ以外は不要です。
商品やPOP以外の余計なものが目に入ると、商品やPOPに目が行くのを妨げることにもなります。
それに人間は汚いより美しいを好みます。好きになってもらい、何度も足を運んでもらうために、清潔で美しい、整然と美しい状態を保ちます。

商品量が多くなることも、余計なものがお客様の目に入る所にあることも、
売り場で起こることには全て理由があります。
商品量が多くなる理由は、店長(マネージャー)が多い方が売れると考えている
からです。
余計なものが増えてくる理由は、その方が便利だからです。
自分たちの都合をお店のイメージや売り上げより優先するとそうなります。




■■  科学と感性  ■■

何ごとも、誰がやっても成果を出せる科学の部分と個人のセンスや勘の感性の部分
とで成り立っています。

感性が100%と思われがちなディスプレーにも科学の部分の法則があります。



この3つのディスプレーも科学(法則)と感性(個人のセンス)で作られています。
安心感を与えるためのトライアングル、固まりで目を引くためのタイト、強く印象
づけるためのリピートの法則に沿って作られました。
トライアングルにするのは科学ですが、このようなトライアングルにしたのは
ディスプレーを作った人の感性です。

ディスプレーには確かにセンスも重要ですが、法則を無視したディスプレーは
センスがないと思われる可能性大です。


ディスプレー以外のあらゆることに、科学の部分と感性の部分があります。
お店の科学とは、基本原則、会社のルール、仮説と検証で得た独自ノウハウです。

基本原則の一部はここで述べました。

社員である以上、会社のルールを守らなければなりません。個人の好き嫌いが
入り込む余地などないので科学です。

小売には誰もが守り、実行すべきことがあります。しかし、やってみなければ分からない
こともあります。それは仮説を立てて検証し、ベストを導き出すしかありません。

数年前のベストセラー「選択の科学」(シーナ・アイエンガー著)
から引用します。

ある食品スーパーでジャム24種類のときと6種類のときとでは売り上げが
どのように変わるかを実験しました。
通行人の試食の割合は24種類のときは60%、6種類のとき40%、
試食者の買上率は24種類のときは3%、6種類のとき30%でした。
通行人の買上率は24種類のときは、60%×3%で1.8%、
6種類のときは12%になります。

6種類の方が6倍以上売れたことになります。しかも、この6種類には売れ筋の
ベスト4を入れてません。

この実験で、多すぎる選択肢は人間を迷わせ、売り上げには決してプラスでは
ないことが分かりました。

これは仮説を立ててやってみて取得できた一つのノウハウで、科学と言えます。
24種類と6種類ではどちらが売れるか分からないときは、個人任せになります。
多い方が売れるだろうと考える人はたくさん並べるでしょう。

科学の部分が少なければ、個人の感性に頼ることが多くなり、業績は個人次第
ということになり、個人頼みの不安定な状況と言えます。

誰が担当しても安定した業績を確保するためにはお店の科学を浸透させることです。

感性の部分については、決め方を決めておけば、殆どの場合、解決できます。
感性については絶対がありませんから、各自主張しはじめたら収拾がつかなく
なります。

決め方は次の通り、3つあります。

1.責任者が決める
経営者、店長、マネージャーなど責任者が決めます。

2.多数決で決める
全員で議論し、多数決で決めます。

3.専門家が決める
案件に詳しい専門家の意見を取り入れて
決めます。




以上述べたことはショーアンドテルが確信している売り上げアップのノウハウでも
あります。
VMDのレベルを上げることで、売り上げは確実に伸びます。
今まで聞いたことと違うこともあるかも知れませんし、初めて聞いたこともあると
思います。
まず納得できたことからやってみることをお薦め致します。